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    Microsoft × プライム・ストラテジー 特別対談 ~ VUCA時代、世界に勝負を挑む日本IT企業が進むべき道とは~

    Microsoftとプライム・ストラテジーの対談

    左からプライム・ストラテジー代表の中村、Microsoft米国本社の石坂氏、日本マイクロソフト社の清水氏

    Microsoft米国本社で Senior Product Marketing Manager として活躍されている石坂氏と、日本マイクロソフト社パートナー事業本部ビジネスディベロップメントマネージャーの清水氏にお越しいただき、クラウド事業の拡大を続けるMicrosoftの展開と、GAFAMの一角が私達に求めているものについて語っていただいた。

    【対談者プロフィール】

    石坂 誠 氏
    Microsoft Corporation(米国本社)
    Senior Product Marketing Manager/Microsoft Azure – Linux/Open Source Business Lead,
    Azure Field Marketing

    早稲田大学法学部卒業後、NECを経て、アメリカに留学しMBAを取得。卒業後日本マイクロソフト社へ入社。入社当初はWindows ServerやSQL Severのマーケティングマネージャーを担当し、その後日本市場におけるオープンソース戦略リードへ。6年前からMicrosoft米国本社に移り、特にLinuxとオープンソース系データベース全般のビジネスおよび140か国におけるGo To Marketのマーケティング戦略をリードしている。

    清水 豊 氏
    日本マイクロソフト株式会社
    パートナー事業本部 ISVビジネス統括本部 ISVパートナー本部 ビジネスディベロップメントマネージャー
    携帯電話事業者でのサービスプラットフォームマネージャー、メーカーでの新規事業企画を経て、日本マイクロソフト社へ入社。一貫してクラウドプラットフォーム「Azure」のパートナービジネス開発に従事。2019年7月にMicrosoftアワードの最高位である「Platinum Club, Outstanding Achiever, FY19」を受賞。一般社団法人iOSコンソーシアムにて「Open Innovation SIG」及び「IoT Business Groupe」を主催。中高生向けキャリア教育プロジェクト「近未来ハイスクール」にキャリアアドバイザーとして参画。

    中村 けん牛
    プライム・ストラテジー株式会社 代表取締役
    早稲田大学法学部を卒業後、野村證券に入社。公認会計士第二次試験合格。2002年にプライム・ストラテジー株式会社を設立し代表取締役に就任する。現在東京のほかニューヨーク、シンガポール、ジャカルタに拠点を置き、「エンタープライズOSSエコシステムの発展」を目的としてWEXAL® Page Speed TechnologyやKUSANAGIを中心として世界に向けたITビジネスを展開している。

    (以下、敬称略)

    Microsoft本社で活躍を続ける石坂氏

    司会 本日はお忙しいところお越しいただきありがとうございます!
    早速ですが、石坂さんは現在、Microsoft米国本社でご活躍されていますが、これまでどういった経歴を辿ってこられたのでしょうか。

    石坂 休暇で日本に帰省中なのですが、せっかく日本に滞在しているのでプライム・ストラテジーさんにお邪魔してしまいました(笑)。
    私は日本の早稲田大学出身です。中村社長は高校時代から大学時代の先輩にあたります。
    大学卒業後NECに就職し化学業界向けの法人営業を経て、自費での米国留学でMBAを取得し、日本マイクロソフトに参画しました。
    入社当初はWindows ServerやSQL Serverのマーケティングのマネジメントを行っていましたが、その後に社内で声を掛けていただき、オープンソースの特別部隊に参加しました。
    その頃マイクロソフトのクラウドプラットフォームサービス、Azureサービスが出ることになり、まだオープンソースが導入されてないころに日本でさまざまな企画を立てていました。当初日本市場でとても勢いがあり、クラウドビジネスにも大変影響があったゲーム業界にも注目してGREEさんやモバゲーさんとのアライアンスなども進めていましたよ。今となってはとても懐かしいですね。

    Microsoft米国本社からお越しくださった石坂氏

    Microsoft米国本社からお越しくださった石坂氏

    それから広告業界、アドテク(※)やデジタルマーケティングの分野で電通さんや博報堂さんとアライアンスを行ったり、スマートシティ(※)やビックデータ、トヨタのコネクテッドカー(※)などに関わったりした後、6年前からMicrosoft米国本社に移りました。
    最初はグローバルでのオープンソースプロジェクトのインキュベーションに関わり、Azureとオープンソースの営業戦略を担当していました。
    現在はグローバルのマーケティング担当として、エンジニアチームが開発したソリューションを、Azureを展開している140カ国にどうやってランディングさせるか考えて実行しています。特にLinuxやオープンソース系データベース全般のビジネスリードを行っています。

    ※ アドテク
    アドテクノロジーのこと。広告配信の効率を上げるためのシステム。

    ※ スマートシティ
    都市の抱える諸問題に対して、ITC等の新技術を活用し、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)が行われ、全体の最適化が図られる持続可能な都市や地域のこと。

    ※ コネクテッドカー
    ICT端末としての機能を有する自動車のこと。例として、事故時の緊急通報システム、盗難時の車両追跡システムなど。

    中村 Microsoft米国本社に移るきっかけはどのようなことだったのでしょうか?

    石坂 本社に移るきっかけは、ゲーム業界に関わっていたことです。当時のMicrosoft米国本社はゲーム業界やLAMP(※)スタックを見ていなかったので、日本から本社に行って変えようと思ったんです。あとの半分の理由は家族のためですね。子どもたちにアメリカでの教育を受けさせたいと。

    ※LAMP
    オープンソースソフトウェアの組み合わせを示す言葉で、Linux(OS)、Apache(Webサーバー)、MySQL(データベース)、PHP、Perl、Python(プログラミング言語)から成り立つ。

    これからの時代を担う日本の若者に伝えたいこと

    中村 なるほど、ご家族のためでもあったのですね。私も3人子どもがいるので、考えるところがあります。特にコンピューターサイエンスを子供の頃から学ばせて、その上でビジネスの勉強、これが重要だと思っています。

    石坂 日本の若者が育っていく過程で、ビジネスフレームワークを理解し、コンピューターサイエンスの知識もあるというのは、これからの時代の人材に必要不可欠な要素だといえますね。

    中村 そういった面で、石坂さんのキャリアパスは非常に羨ましいと思うところがあります。

    石坂 私は海外へ行くのが遅かったかなと思っています。できたら20代後半から海外にチャレンジするのが良いと考えています。学生時代に海外の経験をするのも重要だと思います。
    実は夏に母校の短期ビジネスワークショップをボランティアで引き受けるのですが、そのワークショップで日本の学生にAI分野のプレゼンをしてもらう予定です。マイクロソフトのAIエンジニアにも参加してもらって、海外での貴重な時間にしてもらいたいです。

    中村 私の母校でもあるので、ぜひ鍛えてあげてください(笑)。当社でも、色々と新しいテクノロジーを取り入れた新サービスを開発しているので、このタイミングでご紹介してもよろしいでしょうか。

    石坂 はい。新しいサービスがあると聞いてきましたので、ぜひお願いします。

    パートナーシップを前提としたビジネスモデルの構築

    司会 では、弊社で新しく開発した「WEXAL® Page Speed Technology(※)」をご覧いただこうと思います。

    WEXAL® Page Speed Technology
    バックエンド・ネットワーク・フロントエンドの重層的な最適化を、適用対象となるWebシステムのソースコードに改変を加えることなく実施し、Webサイトのモバイル表示を高速化する「高速化エンジン」。プライム・ストラテジーが開発。2019年7月の発表と同時に「WEXAL® Page Speed Technology」を搭載した「WEXAL® モバイル表示高速化サービス」の提供も開始。

    中村 今まではKUSANAGI(※)によるマネージドサービスの提供が事業の軸だったのですが、今後は高速化エンジン「WEXAL® Page Speed Technology」を導入したKUSANAGIのPremium Edition(※)を展開していく予定です。KUSANAGIとWEXALの導入で、バックエンド、ネットワーク、フロントエンドのすべてを最適化することができます。

    実際にどのくらい速くなるかをお見せしますね。

    (WEXAL® Page Speed Technologyのデモンストレーションを実施)

    KUSANAGI
    プライム・ストラテジーが開発しオープンソースライセンスで提供する世界最速クラスの仮想マシンイメージ「超高速CMS実行環境『KUSANAGI』」。ページキャッシュ非使用時においてもWordPressの実行時間3ミリ秒台、1秒あたりの同時リクエスト数1,000超を実現し、ページキャッシュ利用時においては1秒あたりの同時リクエスト数6万超を実現(いずれも4vCPU最大性能時)。2019年7月現在、世界26カ国198リージョン、国内外の主要な28プラットフォームで利用可能であり、稼働台数は累計3万台を突破。

    Premium Edition
    KUSANAGIのビジネス向け有償版の最上位エディション「KUSANAGI Premium Edition」。高速化エンジン「WEXAL® Page Speed Technology」を搭載するほか、KUSANAGIのすべての機能が利用できる。

    石坂 これはすごいですね!すばらしい、日本の宝ですね(笑)

    清水 すごく速くなるんですね!これはモバイルファースト時代のSEO対策にも大きな効果が期待できますね。

    WEXAL® Page Speed Technologyへの称賛を惜しまない石坂氏(右)と中村

    WEXAL® Page Speed Technologyへの称賛を惜しまない石坂氏(右)と中村

    中村 今までの当社の事業はKUSANAGIの公式サポートによるマネージドサービスが主でしたが、 WEXALのサービスはソフトウェア利用料をご購入いただくサブスクリプションモデルとして展開しています。
    KUSANAGI Premium Editionの販売先として、まずはAzure Marketplace(※)での展開を進めていく予定です。我が社の「エンタープライズOSSエコシステムの発展」というミッションを実現するため、クラウド事業者様とのパートナーシップを第一に考えて、ビジネスモデルを構築していきたいと考えています。

    Azure Marketplace
    ソフトウェアベンダーが提供する仮想マシンイメージやアプリケーション、APIなどが入手できる、Microsoft Azureにおけるオンラインマーケット。

    世界中のお客様をカバレッジする「エコシステム」

    中村 KUSANAGI × WEXALのビジネスがサブスクリプション型となり、利用する場所を問わなくなってきているので、世界中へ展開ができるようになってきました。
    データセンターの数の点でも、Azureは他のクラウドに比べてとても多いので、どの国でもKUSANAGI環境を構築することができます。今までのシステムインテグレーション中心のハイタッチサービスとは異なり、世界各国でのソフトウェア販売によるサービス展開ができるようになることはとても重要なことだと思っています。
    更にWEXALはWordPressに限らず、.NET(※)やSQLサーバー(※)でも動かすことができるので、KUSANAGIのBusiness Edition(※)、Premium Editionのサブスクリプションモデルの拡大が非常にしやすい土壌ができあがりつつあります。

    ※ .NET
    Microsoft社が開発したネットワーク上でアプリケーションを構築する基盤システム。

    ※ SQLサーバー
    Microsoft社が開発しているリレーショナルデータベース管理システム(Microsoft SQL Server)。

    ※ Business Edition
    KUSANAGIのビジネス向け有償版「KUSANAGI Business Edition」。WordPress5.x 版の動作保証やCentOS7のEOLまでのアップデート保証、シングルサインオンのシボレス認証機能(nginxとApacheの両Webサーバに対応)が利用できる。

    石坂 PostgreSQL(※)も利用できるのでしょうか?

    ※ PostgreSQL
    オープンソースソフトウェアのリレーショナルデータベース管理システム。

    中村 利用できます。MySQLだけでなく、高速に動作する PostgreSQL もKUSANAGIで動作します。

    石坂 楽しみですね。ちなみにCitus Data(※)はご存知ですか? 今年Microsoftが買収した企業で、PostgreSQLの一番速いハイパースケールのサービスを提供することができます。Amazon Aurora(※)よりも速いので、今後どのように世界展開していくかを先日打ち合わせしてきたんです。今のお話を聞いて、もしかしたらKUSANAGIにも導入できるのではないかと。

    Citus Data
    PostgreSQLを分散データベース化するソリューションを開発販売する企業。2019年1月よりMicrosoft傘下に入る。

    ※ Amazon Aurora
    AWSのMySQLやPostgreSQLと互換性のあるリレーショナルデータベースサービス。

    中村 オープンソースなのでしょうか?

    石坂 オープンソースです。簡単に言うとPostgreSQLの派生系のようなものです。KUSANAGIで検証できるのではと思いますがいかがでしょう。

    中村 問題なく検証できると思います。

    清水 ライセンスモデルは、外部SIerさん経由でのKUSANAGIデリバリーというのもビジネスとして視野に入れているのでしょうか?

    中村 そうですね。はじめは社内の直販で進めますが、ロードマップとしては、徐々にライセンスの比率を上げていくようにしていきます。

    清水 Microsoftとのビジネスにおいても、クラウドのインフラ部分とインテグレーションの部分、そしてソリューションのコアとなるIP(知的財産)の部分という3層構造になっています。
    それぞれライセンスをデリバリーする人、もしくはインフラを構築する人と、さまざまなプレイヤーがいます。
    そこでMicrosoftが目指すエコシステムとは、パートナーの皆さんと一緒に精力的に活動して、コラボレーションを促進していくこと、それによってビジネスを大きくしていくのがマイクロソフトのパートナーエコシステムなのではと考えています。
    IP、プライム・ストラテジーのパッケージをデリバリーできるパートナーさんとともに、ビジネスフォーメーションを拡大させていくことができていくのであれば、海外のSIパートナーさんとのコラボレーションも可能なのではないでしょうか。
    実際にMicrosoftでは、このようなコラボレーションの海外での成功事例がたくさんあります。

    ライセンスとマネージドのサービスが拡大することによって、世界中のMicrosoftのパートナーの皆さんと一緒にKUSANAGIビジネスができるようになるのではないかと思います。

    エコシステムの重要性を語る清水氏

    エコシステムの重要性を語る清水氏

    中村 以前トロントに行ったときに、KUSANAGIを使いたいという人が大勢いました。
    今ならMicrosoftのパートナーの皆さんとも更に協業を加速できるのではないかと思います。

    清水 短期的には直販で世界中のお客さんのWeb環境を改善し、中長期的にはMicrosoftのパートナーエコシステムをご活用いただいて世界中のお客様をカバレッジしていくという展開も考えられますね。

    中村 中長期的には、それが一番の目標ですね。Microsoftさんとはその点でお互いに協力していけるところが多いと考えています。

    石坂 そう言っていただけている間に、こちらでビジネスを作っていかないと(笑)。

    清水 よくあるのは海外のパッケージベンダーさんが日本に参入するときに、日本のSIerさんやリセラーさんと一緒にマッチングやコラボレーションをして、海外から日本へ…というパターンです。
    一方、逆のパターンはまだ少ない。つまり日本マイクロソフトとしては日本のパートナーの皆さんが世界に展開できるビジネスを作れるかというのがすごくチャレンジしがいがあるところです。これを一緒に作っていけると大きいですね。ライセンスも出るようですが、まさしく新しいビジネスフォーメーションのきっかけづくりになると思います。

    中村 今日ご来社いただけたのは、タイミングとして非常によかったです。

    石坂 日本の方はぜひPtoP(※)プレイ(ISVパートナーとサービスパートナー)で進めていっていただきたいと思います。日本はウェブ業界ではLAMPスタッカーでほぼ9割を占めているので、世の中が変わる可能性がありますね。

    ※ PtoP
    ISVパートナー様とSIパートナー様の協業でビジネスを拡大していくこと

    中村 もともとKUSANAGIというのは幅広いエコシステムなんです。ですから、Azureの売り上げ向上への貢献という点では弱いのかもしれませんが。

    石坂 それは「裾野の広いOSSエコシステムを一緒に盛り上げていく」ということでよいのではないでしょうか。OSSエコシステムへの貢献というのはマイクロソフトのOSS戦略の大きな柱の一つでもあります。
    ちなみに、これまでプライム・ストラテジーはウェブシステムのバックエンドの部分だけというイメージがあったので、フロントエンドをどうやるのか非常に興味があります。Microsoft Azureのボットサービスや、PersonalizerといったAIなどが貢献できるケースがあるかと思います。

    中村 今はまだ設定を手動で行わなければならない部分がありますが、例えばその設定部分について過去のデータを使ってAIで自動化し、より有利なものを抽出していく、といった機能開発の予定があります。今は設定して切り替えができるという状態なので、その過程を短くしていくための計画も考えています。

    求められる「デジタルトランスフォーメーション」加速の実行手段

    清水 日本マイクロソフト社として一番注目しているのは、インダストリー分野でのお客様への提案シナリオですね。今年は特に流通、製造、金融、ヘルスケア等の分野です。もちろん、公共や文教の分野にも注力しているのですが、日本の大手の製造業や流通業のデジタルトランスフォーメーション(※)を進めたい気持ちもあります。

    本日ご紹介いただいたWEXALなどを担がせていただき、大手のお客様のデジタルトランスフォーメーションをぜひ加速させたいですね。Microsoftもインダストリーアプローチを進めていくために、具体的な実行手段を提案していくということがマーケットに求められていますので、Azureで展開されたサービスをお客様にデリバリーしていきます。

    ※ デジタルトランスフォーメーション
    「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念。

    司会 グローバルについてはいかがでしょうか。

    石坂 グローバルでもインダストリーについては同様ですが、なぜインダストリーかというと、要するにインダストリー分野の人たちがデジタルトランスフォーメーション行うための決定の支援が重要という認識があるからです。
    決裁権をもっているビジネスサイドの人たちに提案できることをやっていかないと、社会全体のデジタルトランスフォーメーションはうまく加速化しない。
    でもビジネスサイドの人がエンドース(※)をしていないと、結局は検証でやりますとか、予算がつかないといったことが起きてしまいます。
    ですからテクノロジー技術者の方とビジネスサイドの予算を持っている方、両方のアプローチが必要という意味で、インダストリーに力を入れていくのが大事だと思っています。

    市場で話を聞いていると、まさしくリテール、ファイナンス、製造、メディカル、いずれもカスタマーを多く持っていて信頼性を勝ち取らないといけない方、特にグローバルだとGDPR(※)やセキュリティホールの話などたくさんありますので、その部分を気にされているインダストリーにマイクロソフトのセキュリティへの年間1,000億円を超える投資などの強みとの親和性があるなと感じています。

    いずれにしても既存のマーケット、既存の会社の多くがいち早くデジタルトランスフォーメーションを行っていくことを支援させてもらいたいと思っています。

    Microsoftでは2020年の1月からLinuxのオープンソースデータベースのキャンペーンを行う計画がありますので、プライム・ストラテジーさんもぜひテクノロジーパートナーとしてLAMPという部分で参加していただきたいと期待しています。

    ちなみにUbuntu(※)に展開する可能性はありますか? 日本はCentOSが多いですが、世界ではUbuntuの利用が圧倒的に多いので、世界に行かれるならぜひご検討いただきたい。

    グローバルのデジタルトランスフォーメーションについて語る石坂氏

    グローバルのデジタルトランスフォーメーションについて語る石坂氏

    ※ エンドース
    承認、支援すること。

    ※ GDPR
    一般データ保護規則(General Data Protection Regulation)のことで、EU域内の個人情報保護を規定する法律として、2018年5月25日より提供が開始された。

    ※ Ubuntu
    Linuxディストリビューションの一つ。世界的にはCentOSよりもシェアが高い人気のOS。

    中村 何度かUbuntuも考えたのですが、その前にDocker(※)などが市場の主軸になっていくのではないかと思っています。

    ※ Docker
    コンテナ型仮想化を実現するために実行される常駐アプリケーションおよびCLIからなるプロダクト。他の仮想化ソフトウェアに比して軽量に動作すること、また操作の簡便さや優れたポータビリティなどの利点がある。

    石坂 今はどこに行ってもコンテナ、Kubernetes(※)の話題で持ち切りですよね。

    ※ Kubernetes
    自動デプロイ、スケーリング、アプリ・コンテナの運用自動化のために設計されたオープンソースのプラットフォーム。

    中村 実は弊社の次の製品ラインはDockerです。今はベータ版ですが、この記事が出るころには正式版のDockerが出ている予定です。(※)
    どちらかというとDockerは一つ大きなサービスを運営しているような、サービスベンダーさんなどにご利用いただくことを想定しています。

    ※ プライム・ストラテジーの KUSANAGI Runs on Docker
    2019年8月8日に「KUSANAGI Runs on Docker」正規版を提供開始いたしました。
    「KUSANAGI Runs on Docker」正規版を提供開始(プレスリリース)

    清水 DockerやAzureのKubernetesサービスなど開発者や事業部門の方々の注目度が高いですね。そういった環境にKUSANAGIがデプロイできるというのは、非常にビジネスチャンスが大きくなってくるのではないでしょうか。昨年あたりから急速に導入が進んで、考え方もその流れに変えていきましょうというものすごい勢いを感じます。

    石坂 Docker版、楽しみですね!期待しています。

    (KUSANAGIの導入事例集『WordPress×KUSANAGI課題解決事例100選』を見て)

    石坂 それにしても、KUSANAGI事例100選、いいですね。今グローバルでLAMPスタックマイグレーションというか、デジタルエージェンシーとパートナーシップを作るというディスカッションを始めていますが、こういった事例集があると信用が一気に得られるので素晴らしいと思います。
    御社には直接参加していただくかテクノロジーパートナーとして入っていただくことで、フランス、オーストラリア、ドイツ、UKと繋がることができるので、そこでグローバルのコミュニティで紹介ということもできるかなと思います。やはりWordPressは世界的に人気が高いですね。

    世界との大きな違いは「役割」と「圧倒的なターゲット規模」

    司会 世界と日本の両方でお仕事をされてきて、一番大変だったのはどの部分でしょうか?

    石坂 Microsoftで気づいた日本と世界の大きな違いは、まず「役割」ですね。本社では直接お客様を担当するということはなくて、他の国や地域の現地法人の担当者に仕事してもらうことを前提に働きます。逆に日本では、直接お客様を担当して、指標をもって直接動きます。マネージャーなのか、それとも一人のプレーヤーなのかという、それぞれの役割の違いと似ています。
    もう一つ、マーケットのターゲットが「1億2,000万人」なのか「70億人」なのかというのも大きな違いです。

    司会 日本のMicrosoftとも密に連携されているのですか?

    石坂 はい。日本も私が担当している重要な市場の一つです。ただし、私のグローバルでの売上のうち現状では数パーセントが日本です。日本のプレゼンスが少ないのは残念に思っているところです。

    司会 その状況において日本のIT業界に求めるもの、こういうものがあったらもっと世界で活躍できるのに、といった点はありますか。

    石坂 そうですね、いくつかあると思います。やはりビジネス部門のITへの理解が低いような気がします。同時にIT部門はビジネス部門を理解しての会話ができない。両者の溝が大きい結果、日本国外で導入されている新しいオープンソーステクノロジーなどが使われないという状況があるのではないかと思います。

    使う機会もない、学ぶ機会もない。そういう状況を理解している経営サイドの人も少ない。新しいことにチャレンジしようとする土壌がないように見えます。
    例えば、Kafka(※)。サブスクリプションビジネスになるとこういったKafkaのような新しいオープンソース技術を使うことが多くなってきますが、日本だとKafkaエンジニアの数が少なかったり、オープンソースの活動が活発ではないですし、こういう新しい技術を導入しているところが少ないイメージです。
    あとはTiger Graphといったグラフデータベースのような、今後ビジネスで重要となる人間関係を管理するような世界では当たり前に取り入れられているテクノロジーも流行っていないような気がします。それから、NoSQL(※)系のエンジニアも少ないし、DevOps導入時にNetflixなど世界的にはよく使われているHashiCorp(※)といった技術が日本ではほとんど使われてないのが残念に感じます。

    ※ Kafka
    分散ストリーミングプラットフォーム。高スループット、低レイテンシーで、大規模データを高速に取り込み、配信できるメッセージングシステム。

    ※ NoSQL
    リレーショナルデータベース管理システム以外のデータベース管理システムを指す分類語。一般的にNot only SQLと解釈されている。

    HashiCorp
    開発から運用までをサポートするサービスを提供している企業。HashiCorpのツールはオープンソースで提供されている。

    KUSANAGIのポロシャツを着ていただきました!

    司会 ところで、石坂さんの本日のコーディネートは素晴らしいですね!オープンソースのTシャツ、ぜひ欲しいです!

    石坂 そう思って、実はお土産をいくつか持ってきているんですよ。(中村にオープンソースTシャツを手渡し)僕もKUSANAGIのグッズ欲しいなぁ(笑)。

    中村 それでしたら、我々の公式ポロシャツもお渡ししますので、お互いに着てみましょうか(笑)。

    KUSANAGIのポロシャツを着てくださる石坂氏

    KUSANAGIのポロシャツを着てくださる石坂氏

    司会 オープンソースといえば、先日オープンソースのハッカソンに石坂さんが参加されていた記事を拝見しました。日本と世界ではエンジニアの熱気にも違いはありますか?

    石坂 私が参加したハッカソンはMicrosoft社内でのハッカソンなのですが、みんな自由にプロジェクトを立ち上げて、メンバーを募って、作成したものをブースで提供して、そこにサティア・ナデラ(※)が来たりします。そこはトップダウンですね。オーナーとか社長、リーダーがこのような文化を良しとして推し進めていかないと、いつまでたっても、エンジニアの人がやろうと思ってもできない。このような活動が推奨される文化にしていかないといけないと思います。

    ※ サティア・ナデラ
    現在のMicrosoft Corporation CEO。インド出身のエンジニア。Microsoft内でクラウドやエンタープライズの運用を主導し2014年より現職。OSSへの舵切りやクロスプラットフォーム戦略によりMicrosoftは過去最高の株価を記録している。

    Citus DataやTigerGraph、Kafkaが注目される理由

    司会 今一番注目されているOSSはなんでしょう?

    石坂 非常にたくさんありますが、今の時点では個人的にPostgreSQLです。Citus Dataですね。

    中村 Citus Dataは、普通のPostgreSQLとどういった点で異なるのでしょうか?

    石坂 普通の PostgreSQL と違うのは、ハイパースケールなノード数を100以上の極限まで伸ばせるところや、ペタ級の大容量データを扱うといった点で非常にパフォーマンスを出せるところです。

    今だとシングル系のインスタンスでなんとか対応しようというような話が多いのですが、これは完全にハイパースケールに対応をするという技術を持っています。完全オープンソースの相互運用性を持っていることがすごいところです。PostgreSQLにもいろいろなワークロードがありますが、ノード数が高いものが増えていくと思いますので、それがAzureで稼働して、というのができるとより大きなシステムのシナリオが描けるのではないかと思います。

    中村 クラスタがスケールできるということですか?

    石坂 そういうことですね。

    中村 クラスタの稼働はKUSANAGI上でもいいかもしれない。

    石坂 そう、それができるのではないかと、お話を聞いていて興味深かったんです。Microsoftでは数か月以内にマネージドサービスとしてAzure上で出す予定です。

    個人的にはTigerGraph(※)も気になっています。グラフデータベースというのはこれから重要なキーワードになっていくかと思います。人と人との関係が信頼関係や資産になってくると思いますので、そこをどうやって可視化するのかが個人的に興味があります。
    他はサブスクリプションビジネスが増えたときのKafkaもいいと思います。
    プログラミング言語としてはGo(※)が伸びていますね。それも面白いなと思っています。

    TigerGraph
    エンタープライズ分野での利用を想定して設計された高速でスケーラブルなGraph DB。

    ※ Go
    Googleが開発したプログラミング言語。

    Azure上で全てのWordPressを高速化してほしい

    司会 最後に、弊社に期待することがあったら教えてください。

    石坂 Azureを使って、全てのWordPressを高速化していただけると嬉しいです。 エンタープライズだとMicrosoftはAD(※)や、Microsoft365やDynamicsなどのクラウドサービスもありますからご一緒にできることはたくさんあるかと。

    ※ AD
    Active Directory。Microsoft社によって開発されたWindowsシステムで認証を行う機能。

    中村 うちもKUSANAGI環境で容易にADを使えるようにするという企画があります。
    KUSANAGI Business Editionにはシボレス認証(※)の機能をつけています。シボレス認証は日本の文教で多く使われているシングルサインオンの仕組みです。これからKUSANAGIにも認証系を入れていくので、エンタープライズ利用も考えてADも使えるという状態も作っていきたいです。

    シボレス認証
    SAMLによる認証連携方法として、学術界で多く使われている認証方式。KUSANAGIのシボレス認証では従来のApacheに加え、世界シェアを拡大しているnginxにも対応している。

    石坂 なるほど。もしADが使えるようになったらMicrosoft 365のEducation版との連携などができるといいかもしれません。

    未来は何が起こるか本当にわからない。まさしくVUCA時代(※)といえると思います。Microsoftは自社で改革を行っていくことができたから今のポジションにあります。個人の場合も自分でソリューションを考えて実行できる人にならないといけないと思います。

    プライム・ストラテジーのテクノロジーに話を戻すと、モバイルファーストで繋がれる時代、5G(※)の時代になると、「スピード」はますます重要になりますよね。本当に素晴らしいサービスだと思います。日本では電通さんや博報堂さんとの協業もあるので、ぜひデジタルエージェンシー(※)さんとの協業を通してAzureを導入していくという仕組みに入っていただけると嬉しいなと思います。

    ※ VUCA
    「Volatility」(変動性)、「Uncertainty」(不確実性)、「Complexity」(複雑性)、「Ambiguity」(曖昧性)の頭文字を取った言葉。現在の経済環境を表している。将来の予測が困難な状況のこと。

    ※ 5G
    第5世代移動通信システム。4Gよりも大量のトラフィックを低コスト、低消費電力、低レイテンシーで通信することが可能。

    ※ デジタルエージェンシー
    インターネット系広告代理店のこと。

    中村 機会をいただけたらぜひ参加したいです。我々も、レイヤーがこれまでよりもさらに縦に広がるので組み方が非常にフレキシブルにできるようになります。商流やベンダーさん、SIerさんとの協力体制を、これまで以上に重視しています。パートナーさんが得意な部分はパートナーさんにお願いし、弊社の優位性が活かせるところについてはそこにフォーカスするというようなスキームを考えています。
    取り組み方としてもライセンスやマネージドといったさまざまな形式があります。Microsoftのパートナーネットワークでも、お互いに協力してビジネスを進めていけるのではないでしょうか。

    石坂 パートナー戦略が重要になってくるということですね。

    中村 より強固な連携ができたら素晴らしいです。Microsoftさんは、世界規模の大企業として長年に渡り活躍されていますし、ぜひこれからも継続的なお付き合いを続けさせていただけたらと考えています。

    石坂 まずは、AzureでのWEXAL展開ですね。こちらこそ、よろしくお願いします。

    司会 本日はお忙しいところ長時間にわたり貴重なお話をいただきましてありがとうございました。これからも、世界のIT最前線での石坂さんのご活躍を楽しみにしております。
    本日はありがとうございました。

    インタビューの最後に。石坂氏と弊社代表中村

    インタビューの最後に。石坂氏と弊社代表中村

    (2019 年 7 月29 日 プライム・ストラテジー株式会社 本社大手町オフィスにて)

    お客様の課題を解決するソリューション、
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