終戦後すぐにアメリカ法人を設立、時代を先取りした老舗貿易会社
Sanyo Corporation of Americaは、三洋貿易株式会社のアメリカ法人だ。三洋貿易は、1947年の創業以来、堅実と進取の起業精神のもとに、国内への上質な各種原材料や機械機器類などの輸入販売を中心として、国内外で産業の発展と人々の生活向上に貢献してきた老舗企業だ。
その100%子会社として、アメリカの拠点を任されているのが同社である。その歴史は1954年ととても古い。当時の情勢を鑑みるに、米国に現地法人を作ることの労力は相当なものだったであろうというのは想像に難くない。そんな同社の事業は、ケミカル・プラスチック・ゴム・自動車部品の4つを柱としており、日本との貿易に加え、米国内での取引も多く、日本企業の現地法人とはいえ、日本との取引と比較すると米国内での取引の方が比重は高いという。
老朽化が進んでいるWebサイトを何とかしたい
そんな同社だが、意外にもWebサイトに重きを置いたことがなかったようだ。
Sanyo Corporation of America 荒川 克之 氏が駐在員として着任したとき、同社のWebサイトは老朽化が進んでおり、その表示スピードはとても遅かったという。荒川氏の着任と同時に、情報システム回りの改善を図ることにしたが、それと併せてWebサイトの改善も進めることになった。ちょうどその折、プライム・ストラテジーからのアプローチがあり、委託することにした。当時のことを荒川 克之 氏は次のようにコメントしている。“まず、自社のWebサイトを見た時に、古い・遅いという印象だった。一気に改善できればいいが、段階を踏んで行うことを検討することにした。”
遅さの原因はWebサーバの老朽化、ミドルウェア含めた刷新で改善
改善に取り掛かる前に、現在のWebサイトがどんな状態であるかを分析した。その結果、サーバがこれまでに一度もアップグレードされておらず、さらにホスティングで利用しているミドルウェアのバージョンも古いものであることが判明したため、セキュリティ対策を急務とした。まずはWebサーバをMicrosoft Azureへ移行した。この時、ミドルウェアの最新化を行い、WordPressを最新バージョンにアップグレードした。移設後、セキュリティの強化がされたのはもちろん、ページの表示速度も改善した。それまではクリックしても遷移に時間がかかっていたが、新環境ではクリックしてすぐサクサク動き、表示速度が速くなったことが実感できたという。荒川氏は次のようにコメントしている。“相当早くなったと思う。まずはセキュリティ対策と速度改善から始めたが、次はデザインの改善に取り掛かりたい。”
次はデザインを改善したい
同社のWebサイトの役割は、日本法人のWebサイトからのリンクのために、とりあえず存在しておかないといけない程度のものだという。取引のほとんどが、日本法人とすでに取引している企業が海外に拠点を持った際、現地からも原料を購入するというケースが多いことも影響しているのかもしれない。とはいえ、問い合わせが全くないわけでも、また、日本法人を通さない取引もあるため、Webサイトが存在している必要がある。ただ、Webを取り巻く環境の変化は激しい。Googleからは常時SSL化対応を求められ、対応できなければ警告が表示される。また、ヨーロッパ圏での個人情報保護の枠組みが変わり、規制が強化される。それはどの国でビジネスをしていても対応が求められるものだ。荒川氏はWebサイトの状況を歯がゆく思うことがあるのか、次のようにコメントしている。“私がよく考えているのは営業担当がやりたいことや、やりやすい状態というのはどういったことなのだろうということ。Webサイトの改善ももっと行いたいが、日本法人も絡め、グループ全体で行えるのが理想的だと考えている。”