女性のキャリア選択の範囲を広げてくれる昭和女子大学
2020年に創立100周年を迎える学校法人昭和女子大学は、詩人である創立者が、トルストイの理想とする教育を求めて創られた大学だ。こども園から大学院までの一貫教育体系を整え、さらに敷地内にブリティッシュスクールを設置、2019年には州立テンプル大学の日本キャンパスの誘致が予定されている。米国ボストンには海外キャンパスを構え、小学校からの留学プログラムを用意されている。
幼少期から外国との接点を持つことができるこの環境によって、将来、国際社会で活躍できる人材が多く育つであろうことは想像に難くない。また、同校の理事長・総長である坂東眞理子氏は、きちんとした日本語を身に着けることや、日本文化や伝統を理解することも大切にする必要があるとしており、そうしたものも学び、大切にしながらも、時代に即した教育を受けられるということは同校の大きな魅力の一つではないだろうか。
他にも、同校では学生のキャリアデザイン設計をサポートすべく、キャリア教育や、一人ひとりに合わせたサポート体制、社会人メンターなどの制度も積極的に取り入れており、女性のキャリア選択の範囲の拡大に大きく貢献している点も魅力だ。こうした環境で学んだ学生たちは、幅広い教養と豊かな人間性を育みながら、専門的な知識を身に着け卒業、各々の舞台で活躍している。
このような様々な魅力をもつ同校だが、現在、同校を取り巻く環境は変化しているという。学園本部 広報部 部長 保坂 邦夫氏はその変化について次のようにコメントしている。“いま学生募集では女子大ではなく共学と競合しています。なぜかといえば、共学の女子学生比率は増しています。特に文系は女子学生の比率が高くなり、結果として共学大学と競うことになっています。逆に家政系など女子大特有のマーケットは縮んでいるので、新しい分野を開拓しないと学生募集は厳しくなります。”
ユーザーフレンドリーなWebサイトを目指して
こうした大学を取り巻く環境や、Webサイトを取り巻く環境の変化に伴い、同校では10月にWebサイトのリニューアルを計画している。新着情報などの情報をわかりやすくし、入学希望者や学生、保護者など、見に来た人がすぐに欲しい情報にたどり着けるようにし、また、スマホからのアクセスが多いことを考えてのコンテンツ作りや、これまでPDFで見せていた情報などの見せ方を変えるなど、ユーザーフレンドリーなWebサイトにしたいと考えているという。
そうした取り組みの中で、学部から発信される質の良いコンテンツを表に出したり、学生から情報を直接提供してもらえるような工夫も行うことなど、回遊率を上げるための策を考えているようだ。保坂氏はリニューアルについて次のようにコメントしている。“結局ユーザーフレンドリーにするにはどうしたらいいのかを考えています。デザインとかはいいけれど、使いやすいというのはどういうことなのか。今はほとんどが携帯で見ている。特に若者世代は1日に150ページも見ているそうです。1サイト当たり1分もいない計算になります。今まで写真で見せていたものを30秒以内の映像で見せるのはどうかといったことも考えています。文字から画像、画像から動画というように広がっていけばいいのかなと。ユーザーが求めていることをやっていくということです。”
バージョンの異なるWordPressの乱立で起きたセキュリティ課題
このように自校のWebサイトの改善策を考えている同校であるが、現在のWebサイトが抱える問題の解消から取り掛かっている。現在のWebサイトにはバージョンが異なるWordPressが乱立しており、管理が煩雑化してしまっていた。また、サイト崩れの懸念のために簡単にはバージョンアップも行えず、セキュリティが担保できない状態になってしまっていたという。
サイトの表示速度も経年の利用によって遅くなっており、大学の顔となるWebサイトであるからこそ、何とかしたいと考えていた。そこにWebサーバで使用していたCentOS5のサポート終了が重なり、新サーバへの移行をする必要がでてきた。そのための移行として様々な方法を検討していた中で、自分たちの要望を叶えられそうな「KUSANAGI」を採用することにした。業務部 情報メディア課 野沢 優人氏は検討時のことを振り返り、次のようにコメントしている。“運用の中でセキュリティが更新されるという点も評価しました。やっぱり大学の顔なので、セキュリティレベルが高くないといけないなと言う思いはずっと持っていたんですけど、そこをなかなか保つことができなくて。作業をして影響がでて、ホームページにアクセスできなくなるような事態になると困るなというので、手を出しづらかったのをお任せできる、かつ、WordPressとミドルウェアのセキュリティ更新をしてもらえるので高いセキュリティレベルを担保できるといのは管理側からするとよかったです。”
保守やセキュリティを意識しなくても問題が起きないという安心感
同校が実際管理していたWordPressは13個、サブドメインは30個も存在していた。それぞれのバージョンが異なっていた上に、管理者が把握していなかったWordPressも存在していたため移行には苦労したようだ。移行の際には表示トラブルが発見されたところもあったようだが、一度元の環境に戻したうえで、対処を行い、翌日には無事移行を完了させた。その際、SSL対応も済ませているという。
今後は、9月にそれらのWordPressを統合し、10月にリニューアルする予定だ。最後に評価について聞いてみたところ、池田氏は次のようにコメントしてくれた。“今ちょうどGoogleがすべてのhttpサイトで「保護されていません」という警告を表示するという話があって、全サイト早めにSSL対応できたのはよかったなと思っています。保守プランにWordPress自動マイナーアップデートと定期メジャーアップデートが含まれているので、こちらが意識しなくても、システムが常に最新になっている安心感があります。”
野沢氏にも聞いてみたところ、次のようにコメントしてくれた。“基本的にWordPressを使う環境であるなら私はおすすめできると思っています。速度とセキュリティレベルを担保できるというところはすごく大きいと思います。その2点については自前でサーバを立ててやっていくというのは、レベルが高いと思うので、そこをお任せできるというのは大きいと思います。”
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